最近、ナレッジマネジメントの世界的権威である野中郁次郎先生の講義を受ける機会に恵まれました。その参考資料として紹介されていたので、あまり気が進まずに手に取ったのですが、非常に面白く一気に読んでしまった本を紹介します。
イノベーションの本質という本です。
プロジェクトXのような企業における成功事例の経緯をジャーナリストの勝見 明 氏が紹介して、その一方で、その裏でどのような知識や知恵の伝承の形式があったのかということを野中先生が分析し、解説をします。そして、どのような場でどのような行動をすれば、イノベーションを起すことができるかということを明らかにしていくことを狙って書かれています。
また、メーカーの話だけではなく、黒川温泉の活性化やジブリの映画の作り方などのトピックスも取り上げられており、温泉地のあり方や「ハウルの動く城」がどのような背景で作られているのかを覗くことができる。
経営学の本にありがちな論理面に偏ることのない読みやすさと、単なる成功事例の紹介に留まらない奥深さを併せもった、とても興味深い本だと思います。
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